NewJeans特集①「Ditto」MV 徹底考察レポート

特集&解説

1. 主人公「バン・ヒス」の正体

MVにはNewJeansのメンバー5人の他に、カメラを回し続ける6人目の登場人物、「バン・ヒス(Ban Heesoo)」が登場します(演じているのは女優のパク・ジフ)。 ヒスは常にカメラ越しにメンバーを見つめ、笑い合い、青春を共にしています。

  • 定説: ヒス = 「Bunnies(NewJeansのファン)」 あるいは 「リスナー自身」
  • 名前の由来: 「バン・ヒス」という名前は、NewJeansの公式ファンクラブ名「Bunnies(バニーズ)」の発音に似せて名付けられたと言われています。

2. side A:美しい幻想と「主観」

side Aでは、ヒスとNewJeansのメンバーが学校で仲良く過ごす様子が描かれます。ダンスを練習したり、お菓子を食べたり、パジャマパーティーをしたり。 しかし、時折不穏なカットが差し込まれます。ヒス以外のクラスメイトが、宙に向かって踊っているメンバーを不可解な目で見ているシーンや、ヒスが一人で虚空に向かってカメラを構えているような描写です。

  • 解釈: これはファンの脳内、あるいは「推し活」をしている最中の幸せな没入感を表しています。ファンにとってアイドルは「友達」のように身近で、人生を彩る存在ですが、周囲(ファンではない人々)から見れば、それは「実体のないものに熱中している孤独な姿」に見えるのかもしれません。

3. side B:残酷な現実と「客観」

side Bでは、カメラの視点が切り替わり、現実が突きつけられます。 side Aで見えていた「メンバーと楽しそうに過ごすヒス」の隣には、実は誰もいませんでした。ヒスは一人で笑い、一人で空間を撮影していたのです。

  • 鹿の象徴: 頻繁に登場する「鹿」は、ヒスを現実世界へと引き戻そうとする「境界線の案内人」、あるいはヒスを見守る「第三者の視点(理性)」だと考えられます。
  • エンディング: ヒスはカメラ(アイドルへの執着や思い出)を置き、雨の中、傘をさした男性(現実の恋人やパートナーの象徴)の方へと歩き出します。しかし、大人になったヒスが再びビデオテープを再生すると、そこには変わらず輝くNewJeansの姿が映っていました。

4. 総括:切なくも温かいメッセージ

このMVは、「アイドルはいつまでもあなたのそば(ビデオの中/記憶の中)にいるけれど、あなたの現実の人生を代わりに生きることはできない」という、優しくも少し残酷な事実を描いています。

ファンがいつか現実世界で大人になり、「推し」から離れる日が来たとしても、「私たちが過ごしたあの時間は嘘じゃなかった(Ditto)」と肯定してくれる。そんな「卒業」と「永遠の絆」がテーマであると考察します。


【Okix的視点】地理と建築から見る「Ditto」の魔法

ここで、私の専門分野(?)である地理的要素を絡めた補足を一つ。

このMVのロケ地は、韓国の大邱(テグ)にある「啓聖(ケソン)高等学校」や「青蘿(チョンラ)の丘」周辺です。 大邱は、韓国の中でも近代建築(赤レンガの西洋風建築)が多く残る「歴史と情緒の街」として知られています。

  • なぜ大邱だったのか? ソウルの無機質な都会の学校ではなく、大邱の赤レンガ造りの校舎や、少し霧がかったような盆地特有の空気感が、いつの時代か特定できない」「どこの国かわからない」という無国籍なノスタルジーを生み出すのに一役買っています。
  • 「場所」の魔法: もしこれが近代的なガラス張りのビルで撮影されていたら、ここまで「記憶の中の学校」という雰囲気は出なかったでしょう。「地理的な古都の空気感」を巧みに利用することで、世界中の人々が「自分の子供時代のようだ」と錯覚する映像美(地理的普遍性)を作り出しています。
ヒロ
ヒロ

他の楽曲も紹介しています👇

📣 お知らせ

もっと深く自分の言葉で考えたことをまとめている場所として、
noteでも作品や文章を公開しています。

ぜひこちらもご覧ください👇
👉 https://note.com/sakuratikaprojct

この記事を書いた人
ヒロ

音楽と旅行が好きな、ポイ活学生です。
曲紹介のみならず、様々なジャンルに挑戦していきます。

ヒロをフォローする
特集&解説